インフレターゲット2%と日銀についての個人的なメモ

前提

 

が、

  • 日銀は国債その他を大量に買い入れており、総資産がGDPの1.3倍程らしい(総資産が700兆円程。GDPが500兆円超)
  • 日銀は国債を買うことで、当面は長期金利を低いままに抑え込もうとしているらしい(日銀が保有する国債は総資産700兆円程のうち500兆円程)

 

一方で

 

なんでこんなことをしているのか?

  • 異次元緩和(マイナス金利とか、国債その他の買い取りとか)で市中をお金でじゃぶじゃぶにすることで消費や投資を促す
  • 資金に余裕が出来た企業が設備投資やM&Aなどを行うことで「稼げる企業」が増える
  • また起業も盛んになって新たな産業が興り「(新興国との安売り競争に陥りがちな)製造業が中心の産業構造」から脱却する
  • で、景気がよくなってインフレ率2%を達成、としたかった

 

で、どうなった?これからどうなる?

  • インフレ率2%を達成しそうな気配は無い。から、日銀は国債その他の買い入れをまだまだやめられない。
  • ということで、日銀の資産だけは異常に増えつづけて、これまでの常識で考えたら非常に危うい状態らしい。
  • 日銀としては本来であれば総資産が今ほど膨らむ前にインフレ率2%を達成して、その後、粛々と国債などを売って総資産を縮小させたかった、はず。
  • が、総資産がここまで膨らんでしまうと、仮にインフレ率2%を達成したとしても、日銀の財務状況が著しく悪化。
  • じゃなくても、何か「長期金利が急上昇するような不測の事態」が発生したら、とたんに危ない状況になる。
  • または、海外から「日本もうダメだぞ」と判断されて急激な円安になるだけで危うくなる(物価上昇→金利上昇)。
  • 今はまだ海外から「日本はまだまだやれることがあるはずだよね」って思われているからなんとか保ってる状況、かな。
  • それと。MMTとか新しい概念もあるらしいけど、何にしても「日本はまだ大丈夫だよね」っていう信用が無くなったら終わってしまう、ということに変わりは無いんじゃないかな。
  • 国債なんて借換すれば良いんだから破綻なんかしないだろ」っていう楽観論も「国際社会がそう思ってくれれば良いですけどね」くらいの希望的観測でしかなさそう。
  • 結局、国際社会の認識が「日本はまだ大丈夫だろ」から「日本、危ないね」に変わったら終わるんじゃないかな。

 

じゃあ何をすれば良いの?

  • 異次元緩和だけでは経済が回復しなかったし、産業構造の変化も起こらなかったんだから、何か別の政策が必要なんじゃないの。
  • そもそも「金融政策」って、「すでに発生している経済の動き・流れ」を加速or減速させるアクセルやブレーキの役目は果たすんだろうけど、金融政策だけで「新たな経済の動き・流れ」を作ることはできないんじゃないの。
  • 日本企業だって、今後、日本がどうなるのか分からないような状況でリスクなんか取りたくないんだから、市中にお金がじゃぶじゃぶでも新たな事業に進出したり、海外の企業を買収したりせずに、内部留保を増やすだけだよね。
  • であれば今度は政府が何かをやる番。「企業が積極的にリスクを取りたがるような政策」「産業構造を変えるような政策」を実行しないといけないですね。
  • それって「内部留保に税金をかける」なんてセコいことじゃなく、例えば「今後の日本の主力産業は◯◯と△△と□□」って宣言して、それ関係の企業を積極的に支援・優遇する、といったことじゃないと効果が無いんじゃないかなぁ。
  • その上で、起業しやすい環境も整備して産業構造の変革を進める、とか出来ることは色々あると思うけど。女性とか有効活用できていないリソースも沢山あるしね。

 

ただ、

  • なんとなくだけど、もたもたしてる間に何かしらの「不測の事態」が発生して金利が急上昇して、経済が回復する前に破綻してしまうような気もする。

「停滞している経済活動を、金融政策だけで動かすのは不可能」ってことはこの9年ほどで証明された気がする。

 

おわり